
(4)四日市(図2.1.1.d)も同じような傾向を示す風配図となっている。これは観測点の西方20km位の所に1,210mの御在所岳を最高峰とする鈴鹿山脈があり、この影響を受けているものと考えられる。春は北西風が卓越し他方向の風は僅かである。夏は太平洋高気圧の影響下で南東風が卓越、秋は冬へ移行して行く11月に北西風が卓越している。月別強風の出現は春先が多く、次いで冬に多い。夏は強風の出現は少ないが、15m/s以上の強風は、この統計期間では、8月と9月に出現している。この原因は共に台風によるものである。
(5)鳥羽(図2.1.1.e)は、志摩半島の先端に位置する地域気象観測所の資料に基づいて解析したものである。風配図は、他の観測点と同様に冬、春は北西の季節風が卓越、夏は北寄りの風は皆無で南南東ないし南風のみである。秋は南寄りの風と同じくらいの北寄りの風が出現している。月別強風を見ると、3月が極端に多く以下4,12月となっており、7月には出現していない。15m/s以上の強風はこの期間全然出現していない。
(6)伊勢湾シーバース(図2.1.1.f)は、周囲に障害物の無い海上の観測点である。使用した資料は1993年の1年分が使用できなかった。したがって1994年分をかわりに使用した。風配図は他の観測点と同様に、冬、春に北西風が卓越し、夏は南東風が出現している。秋は北西風が卓越している。月別強風は、各月出現日数が多い。その中でも、春先の3,2月が、次いで冬が多い。最も少ないのは7月である。15m/s以上の強風も各月に出現しているが、春先の3月、4月が多く、次いで冬に出現している。
以上の5観測点から、年間を通じての風系は、強風の場合、日本付近の大規模な風系(冬季は北西風、夏季は南からの風)と全く同様である。月別強風の出現は各観測点とも、春先の3月が多く出現し、7月が最も少ない。
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